リー・ドリアン、大いに語る! バンドの節目を祝う作品とともに踏み出すネクストレベルとは?

インタビュー:望月裕介 | 翻訳:松本美和

80年代から90年代にかけて、エクストリーム・ミュージックの“最速”と“最遅”を更新したリー・ドリアン(vo)が率いるドゥーム・メタルバンド、CATHEDRAL。その20年に及ぶキャリアを記念するライヴ作『アニヴァーサリー・ライヴ 結成20周年の宴』をリリースする。大の親日家であるリーが、解散が発表されているカテドラルはもちろん、自身のこれまでとこれからを交え、語ってくれた。

――まずは今年4月に行った日本ツアーに関して。東日本大震災の直後にも関わらず来日してくれましたが、自分ではどうでしたか?
「93年の初ツアー以来、日本は大好きな国だ。たくさんファンが僕らを待っていてくれることを、とても幸運に思うよ。今年4月の日本ツアーは、いろいろな意味で特別なものになったね。あの日本で起こった悲劇を知ったとき、とても悲しかったし、恐ろしかった。多くの人が僕らの日本ツアーをやめさせようとしたけど、キャンセルするなんてすごく無礼なことに感じた。結果的に、今までの日本でのライヴのなかで最高のものにできたよ」

――あなたは日本のハードコア/パンクの大ファンとして知られていますよね。やはり日本でのライヴというのは、いつも感慨深いものなのでは?
「もちろん! 僕は子供のころからゴジラに熱狂していたものさ(笑)。そんな僕にとって、日本のパンク・ロックはまさに初恋だったよ。80年代の初期にGISMを聴いたんだけど、吹き飛ばされた思いだった。それからはKURO、CONFUSE、SYSTEMATIC DEATH、LIP CREAM…とにかく日本のバンドを聴きあさったよ。歌詞は理解できなかったけど、サウンドはどこの国のバンドにも負けないくらい激しかった。特にS.O.Bは、あんなスピードでプレイした、最初のバンドだと思う。当時在籍していたNAPALM DEATHの連中と“ヤツらは最高だ”とよく話していたよ。89年にはヨーロッパと日本で一緒にツアーをすることもできた。あれはとてもすばらしい時間だったよ・・・そろそろ、質問に戻ろうか(笑)。とにかく、それだけ日本には思い入れがあるんだ。CATHEDRALとしてではなくても、何かしらでまた行きたいと思っているよ」




20th Anniversary Live Box
『ANNIVERSARY』
10/26 On Sale!!

2010年12月3日、ロンドンのO2アカデミーにて収録
¥3,150 歌詞、対訳、解説付


――今回のライヴアルバム『アニヴァーサリー・ライヴ 結成20周年の宴』は、カテドラルの結成20周年を記念したライヴを収録したものですね。第一部では90年発売のデビュー作『この森の静寂の中で(原題:FOREST OF EQUILIBRIUM)』をオリジナル・メンバーで完全再現し、第二部では現在のメンバーでライヴを行ったとか。
「20年の間、いいときもあれば悪いときもあったよ。こんなに長く続いたなんて、奇跡と言えるんじゃないかな。バカげたトレンドには見向きもせず、自分たちのことを信じてやり抜いてきたんだ。驚くかもしれないけど、僕にとって『この森の静寂の中で』は一番好きなアルバムなんだ。あの時代のなかではユニークな作品だと思うしね。だから、このライヴをとてもスペシャルなものとして残したかった。まるでバンドから贈り物をもらったかのような、ね」

――ライヴって、人によっていろいろな意味がありますよね。あなたにとって、ライヴとはどんなものですか?
「ライヴとは、本当の意味での音楽の表現が可能な、とても特別な瞬間なんだ。例えば、君が好きなバンドのライヴ映像をDVDやインターネットで観たとする。それでなんとなく思い描くことはできるけど、実際のライヴは、それらとは比べものにならないんだ。みんなにも迷ったりせずにライヴに行き、ぜひともその現場を体験してほしいね」

――CATHEDRALは、来年新作をリリースし、解散することが決定していますね。
「もうやるべきことはすべてやり切ったという感覚があるんだ。まだバンドがいい状態と感じられるときこそ、引き際だとも思うしね。僕たちが残してきた音楽が、これからもみんなに楽しんでもらえることを祈るばかりさ」

――カテドラル解散後のことは何か決まっていますか?
「僕はギャリー(・ジェニングス/g)と一緒に、音楽を続けるつもり。ほかにもRise Above Recordsの運営はもちろん、レコード収集や物書きでけっこう忙しくしているんじゃないかな」

――それでは最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
「僕らの世界に意味を与えてくれた日本のみんなへ。本当に、心から感謝している。これからなかなか会う機会がなくなってしまうことはとてもさみしいけど、これからずっと、そしていつもヘヴィでいてくれ!」


■LINK: オフィシャル・サイト / Trooper Entertainment / Rise Above Records