“懐かしくも新しい”新作『THE PARADIGM SHIFT』
いよいよ発売! 絶対聴くべし!


ここにジョナサン・デイヴィスの日本独占取材記事をお届けする!
ヘッド復帰の真相、新作作業中にKORNに、そしてジョナサンに
なにが起こってたのかを赤裸々に語ってくれてる。“KORNらしさ”
を微動だにすることなくも“わかりやすさ”“キャッチネス”を強烈に
アピールしてくる通算11枚目の新作『THE PARADIGM SHIFT』を
聴き倒し、ジョナサンがじきに、と言う再来日公演実現を待とうじゃ
ないか!

――いよいよ新作が発売されるけど今の心境は? ヘッド復帰もあって、いつもの
作品を出すときよりも感慨深いとか、エキサイティングとかってあるんじゃない?
「そうだね、本当にエキサイトしてるよ。兄弟(=ヘッド)が戻ってきて、みんなすごく
ハッピーなんだよ。今のバンドの状態はすべてがポジティヴで、みなそれぞれがや
るべきことをやってるんで、スゴくイイよ」

――ヘッド復帰にはホント腰を抜かすほど驚いたよ。これまで何度かジョナサンに
ヘッド復帰の可能性について訊いたことがあるけど、そのたびにやんわりと否定さ
れてきたっていう経緯があったし…。
「否定した? 否定はしなかったと思うな。ただ、彼の方の準備が整ってなかったんだ。
オレたちは、ただそのときを待ってたのさ。で、そのときがついにきたってわけさ」

――つまり機が熟したと?
「そう、そういうこと」

――レイ・ルジアーは途中参加ゆえまた別としても、マンキーもフィールディもヘッド
復帰には最初からポジティヴだったのかな?
「うーん…フィールディはポジティヴだったね。マンキーは…気持ちが揺れてたよう
だったよ。いろんなことがあったから。だけどみんなでまた会ってみたら、すべてが
イイ方向に進んだよ。最初の頃はちょっとギクシャクしてたけどさ」

――まずヘッドを迎えてツアーに出たじゃない。当初はね、リユニオンツアーみたい
な企画でのサプライズだと思ってたの。だけどその後、本格的に復帰したわけで。
ツアー限定の復帰と、本格的復帰とでは全然違うよね。後者を選択したわけで、それ
なりの心構えとか腹のくくりが必要だったんじゃない?
「彼が戻ってくることはわかってたんだよ。作品をいっしょに作ろうっていう話もした
しね。あとは、そのタイミングを計ってた。で、まずはライヴを何回かいっしょに演っ
てみて、どうなるか様子を見てみることにした。その結果、すべてがうまくいった。
で、彼は戻ってきたんだ。すべて順調さ!」

――その間に何度か話し合ってたんだ?
「マンキーが連絡し、戻ってきてくれと頼んだら、作品を作ることになったらやっても
イイと彼は言った。だけど、そのときはどうなるか誰にもわからなかった。で、今言っ
たとおり、彼のためにいくつかライヴをブッキングし、その結果なんの問題もなかった
から本格的復帰となったんだ」

――マンキーがヘッドに連絡したのはいつだったの?
「いっしょにツアーに出る前に、1回彼にライヴに飛び入りしてもらったんだけど、そこ
で1曲共演した後のことだったよ。何週間か後に連絡したら戻る準備はできたと彼は
言った。つまりしばらくの間、彼はKORNを離れる必要があったんだ。クリスチャンに
なり、娘の面倒を見ないといけなかった。そういうことがあったんで、なかなかバンド
に戻れなかったんだよね。今やっと戻る準備が整ったってわけさ」

――で、ツアーにいっしょに出て、イイ感じだったんで、いっしょに作品を作ることに
したんだね。
「イヤ、その前から作品を作ることは決まってたんだ。いっしょにツアーしてみて、さら
なる確信を得たんだよ」

――新作の曲作りにヘッドはどのくらい関わってるの?
「最初から深く関ってたよ。昨年8月から始めたんだけど、かなりの時間をかけいっしょ
に曲作りをした。彼が書いた曲もたくさんあって、そのなかからみんなが気に入ったも
のを採用し、オレもあと何曲か書き、新作を作ったんだ」

――やっぱり、今回の作曲方法はここ何作とじゃ違ってた?
「彼を交えたバンド形態で何回かリハーサルをやり、それからいっしょに曲を書き、デモ
音源を録っていったんだ。つまり曲の大半はリハーサルスタジオで書かれたことになる。
で、オレがスタジオ入りし、その作業に混じったたのは今年2、3月になってから。そのあ
たりから本格的にレコーディングを始めたんだ。曲作りのやり方自体はこれまでと変わ
らずだったけど、エレクトロニックな要素も入れてるんで、ヘッドにとっちゃ以前とは少し
勝手が違ったかもしれない」

――まさか、なにもないところからいきなりリハ現場で曲作りを始めたわけじゃないよね?
誰かがベーシックなアイディアを持ち込んで、とか?
「確かヘッドが1曲持ち込んだと思う。あとは全部、そのリハ現場でできたんだよ。ヘッド
が持ち込んだのが“Love & Meth”でね。彼が書いた曲はほかにもたくさんあったけど、
オレがスタジオ入りした途端、オレがさらにたくさんの曲を書いたのさ(笑)」

――今回初めてプロデューサーのドン・ギルモアと組んでるね。
「オレがドンを起用したんじゃないよ。オレがいない間に、ほかの連中がドンを選んだん
だよ(笑)。だけどオレはドンのことが好きだよ。実は彼とは過去にいっしょに仕事をし
たことがあるんだ。たしか『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』(2003年)で1曲、彼と
いっしょにやったんだ。楽しかったよ」

――で、実際はどうだったの? 「オレが選んだんじゃない」ってことだったけど(笑)。
「楽しかった。最初は互いの垣根を取り除くのがちょっと大変だったけど、それ以外
は大丈夫だった。ドンはほかのメンバーともうまくやれたし、おかげで楽しい作品作
りとなったよ」

――それはよかった。ところでジョナサン、最近新しい写真を見るたびに痩せていっ
てるような気がするんだけど、もちろん健康的な痩せ方だよね?
「うん、別に病気とかじゃないよ。最近またタバコを始めたんで、そのせいかもしれ
ないね」



――前に「KORNの作品は毎回どの方向性でくるか読めない」って、何度も言った
よね。具体的に言うと、『UNTITLED』(2007年)の次と、『KORN III REMEMBER
WHO YOU ARE』(2010年)の次と、『THE PATH OF TOTALITY』(2011年)の次が
見当もつかなかったのね(笑)。で、新作を聴いて完全にヤラれたわけ。ヘンな言
い方だけど“懐かしくも新しい”っていうふうに感じるよ。
「同感だね。新作じゃその方向性を巡って、オレとヘッドの意見が対立してね。彼は
メタル作を作りたがったし、オレはもっとエレクトロニックな作風にしたかった。でも、
結果的にその摩擦がイイ効果を生んだんだ。ヘッドのプレイは懐かしいし、マンキー
と彼のプレイには馴染みがあるけど、そこにフィールディとオレが加えたアイディア
が作品をとても新鮮なものにしたんだ。たしかに衝突はしたけど、よかったよ(笑)」

――もっと具体的に言うと、『FOLLOW THE LEADER』(98年)と『TAKE A LOOK
IN THE MIRROR』にあった“わかりやすさ”“イイ意味でのキャッチーさ”を想起させ
るも、『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』や『THE PATH OF TOTALITY』でやっ
たことも置き去りにしたり、忘れたりしてないって感じ?
「そう、そのすべてをミックスさせて1枚の作品に詰め込んだんだ」

――『KORN III REMEMBER WHO YOU ARE』は“原点回帰”を謳い、そうした作
品だったけど、さっき言った“懐かしい”って言う意味じゃ新作の方がより“原点回帰”
の雰囲気が強いと思うんだ。それはヘッド復帰によるところが大きいと思うけど。
「そうだね、彼が復帰したことにより、昔のようなサウンドになった。しかも彼はそれ
を見事にやってくれた。彼が戻ってきてくれて本当によかったよ。彼とマンキーの
ギターのコンビネーションもイイし。彼がいるから、再びオールドスクールなヴァイ
ブも出せたんだよ」

――ジョナサン、今回これまで以上に歌ってない? サビの歌メロでの歌唱、かな
りクライマックス値にいってると思うけど。
「たしかにそう意識してやったところもあるけど、同時に自然とああなったところも
大きい。ヴォーカル入れをしてた頃のオレはデトックス中だった。パニック障害とか
いろいろあって大変だったんで、ヴォーカル入れの最中はとてもツラい時期だった。
それが影響したかどうかはわからないけど、とにかく自然とああなったんだよ。メロ
ディ、ヴォーカル、歌詞…すべてが自然とああなったんだ」

――あくまでもスポンテニアスだったと?
「そう。どれもこれも、自分がなにをやってたのかもわからないようなところがけっ
こうあってね(苦笑)。マジにそうだった。ドラッグをデトックス中だったんでね。憶え
てるのは、息子2人がオレといっしょにスタジオにいたってこと。そのおかげで、な
んとか乗り切れたんだ」

――じゃ、でき上がってた音楽にインスパイアされて歌メロや歌詞を乗せたわけ?
「そう! 面白かったのは、スタジオにいる息子たちを見られたってこと。オレも彼ら
の年のときに、スタジオで自分の父親を見てたんだから。だから今回は息子たち
を見てることができたのもインスピレーションになったね。ドンといっしょにヴォー
カル入れをやれたのももちろんよかったけど、スタジオの隅っこでオレを見てる息
子2人に“今の、よかった?”って訊くと、彼らが印象をものスゴく正直に答えてくれ
たのも嬉しかったな。子どもってそういうもんだろ? 純粋で正直なんで、感じたこ
とをそのまま言ってくれる。ドンも必ず彼らの意見に同意してくれたし。息子たちが
いてくれて、本当によかったよ」

――ジョナサンが作業中に息子さんたちがスタジオにいたっていのは、今回が初
だったの?
「以前もいたことがあったけど、今回は毎日いたんだ。毎日学校が終わると、オレ
といっしょにスタジオにきてた。で、オレは一晩中仕事してから、彼らを学校に連れ
ていったんだ。とにかくクールなプロセスだったよ」

――“Lullaby For A Sadist”はアコースティックギターで始まるよね? こういう始ま
り方をする曲って、KORN史上初めてなんじゃない?
「おそらくそうだろうね。だけど、この曲はずいぶん前に書いたものなんだ。いつレ
コーディングしたんだったかな…とにかく新作のかなり前にやったんだけど、その
ときはイマイチだった。だけど今回もう一度やり直してみたらすばらしいできになっ
たんだ。スゴくよかったんだよ(子どもの声が聞こえてくる)。ごめん、息子たちだよ」

――そのようだね、聞こえるよ(笑)。
「(子どもたちに向かって)おい、オレは今インタヴューを受けてるんだ! なんてこった!
 クレイジーだな」

――スタジオで作業中もそんな感じだったんだね(笑)。
「しょっちゅうさ! 新作のデラックスエディションにはドキュメンタリーDVDがつくん
だけど、それにオレと子どもたちの映像が入ってるんで、どんな感じだったかがわ
かるよ(笑)」

――今回バグパイプは使ってないと思ったんだけど、もしかして“Punishment Time”
で薄らと鳴ってるのがそう?
「いや、今回バグパイプは使わなかったんだ。使いたい気分のときもあれば、使い
たくない気分のときもあってね。つまり新作じゃ使いたい気分にならなかったってい
うね。時間もなかったしね」

――もちろん新作はKORNの作品以外の何物でもないし、ヘヴィだし、アグレッ
シヴだし、ダークだけど、新作でもっともポイントを置いたのは実はジョナサンの
ヴォーカルとわかりやすさ、聴きやすさなんじゃない?
「物事に対する感じ方が人それぞれ違うっていうのは素敵なことだよ。だから、その
意見はその意見ですばらしい。オレはただ、心から感じたことをやっただけさ。こうな
るべくしてなったんだけど、今回そのできがよかったのはラッキーさ。きっと、わかり
やすいんだろう。オレは曲をとても気に入ってる。メロディもすばらしいと思う。だけ
どそれ以上のことについては、聴いたそれぞれの人が決めればイイことさ」

――『THE PATH OF TOTALITY』のときは結局来日がなかったけど、今度はいつ
日本に来てくれそう?
「今年いければと思ってるよ。来年かもしれないけど、まだハッキリしてないんだ。
だけど、じきにいくことは間違いないね!」

――それは嬉しいね。日本のファンはみんな首を長~~~くして待ってるからね。
最後に日本のファンへメッセージを。
「日本のファンが大好きだよ! すばらしいんだもの。彼らが音楽をスゴくリスペクトし
て愛してくれるところが好きなんだ。音楽に対する情熱を持ってる。日本の人はまさ
にそういう人たちなんで、早く日本にいって彼らのためにプレイしたいよ。彼らのハッ
ピーになってる顔を見るのも大好きなんでね」


文・有島博志/text by Hiro Arishima
通訳・川原真理子/translation by Mariko Kawahara


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