T.C.L、ついに初の公式音源となる
初フル作『Tremendous CLassixx』発売!


THE MAD CAPSULE MARKETS(TMCM)、GERONIMO、UNDOWNなどで
大暴れし、大汗かいたっていう人たちにはまさに待ちに待ったデビューだろう。
TMCM、WAGDUG FUTURISTIC UNITY(WDFU)のKYONO(vo)、GERONIMO、
UNDOWNほかのYAMADA(vo)、TMCM、UNDOWNのTORUxxx(g)、
GERONIMOのBITCH(b)、元THE CREATOR OFのSHIBUYA(ds)、そして
RYO(vo)という6人組のT.C.Lがついに『Tremendous CLassixx』でその全貌
をあらわにした。とにかく、この作品がめちゃくちゃカッコいいのだ!
KYONOとYAMADAを取材した。

――T.C.Lを始めた時期って2005年頃だよね?
KYONO:もう、TMCMが動いてない時期ですね。

――で、GERONIMOは活動休止した後だよね?
YAMADA:うん、もうした後。で、この前新宿LOFTに出てた(1月26日開催の
      MINOR LEAGUE presents SHORT HOPE)M.G.Tに加入した頃で。

――どういう経緯で始めたの?
KYONO:メンバーとは昔からの知り合いで、普段から一緒に飲んだりはしてたんで。オレと
     YAMAちゃんと、もうひとりのヴォーカルのRYOがいて。RYOも地元仲間で仲がよくて。
     最初はRYOと遊びでスタジオ入ろうって。で、RYOがメンバーを集めてきて遊びで
     ちょっとスタジオに入ってたんです。YAMAちゃんも見にきてくれたりして。最初はそん
     な感じだったんですけど、繰り返していくうちにメンバーもSHIBUYAくんがドラムで入り、
     YAMAちゃんも何回目かで一員に。
YAMADA:RYOくんからずっと連絡はもらってた。“スタジオに来てくださいよ、来てくださいよ”って。

――もろ遊びのノリだったんだね。
KYONO:そうすね、1番最初は。SHIBUYAくんとYAMAちゃんが入ってからライヴ演りたいねって
     話になって。オレ、ホントはS.O.D.のカヴァーを演りたかったんです(笑)。だけど最初に
     スタジオに集ったメンバーたちがあんまできなかった(苦笑)。それでもまぁせっかくスタジ
     オに入ったからなんかやろうって、ちょっとずつオリジナルっぽい感じで進めていったん
     ですね。はなっから3人ヴォーカル体制ができてたんで。

――じゃなにかを意図してトリプルヴォーカル隊にしようじゃなかったんだ?
YAMADA:そう、自然な流れ。KYONOとRYOくんの隙間を、オレが埋めるみたいな感じだった、
     最初は(笑)。

――同時期にKYONOの頭んなかにはWDFUもあったわけだけど、WDDFUとT.C.Lって音楽的には
   ある種真逆だよね。その真逆の音楽プロジェクトが同時に頭んなかにあったことになるよね?
KYONO:そうすね。とにかく刺激がほしかったんです。今もそういうのって常にあるんですけど、
     いろいろやることで自分の刺激になる。そういう感覚でしたね、当時も。

――YAMAちゃんはGERONIMOで活動中、並行してUNDOWNもやってたよね。UNDOWNは
   そんなに頻繁に動いてたわけじゃないけど、それからMGTにいき、T.C.Lにも、っていうの
   は普通のことだったのかな?
YAMADA:うん。M.G.Tもそんなにライヴをガンガンやるバンドじゃないから。T.C.Lもガンガンやる
      バンドじゃない…っていうかその頃はまだライヴを1本も演ってなかった(笑)。

――当時は“スタジオお遊びプロジェクト”だったからね(笑)。
KYONO:ホントに単純に面白そうじゃんみたいな感じで集まってやり始めたんですけど、ライヴが
      決まってからですよ、ちゃんとやろうみたいになったのは。

――だけどさ、WDFUで取材するたびに必ずT.C.Lの話が出てきてたから、最初っからかなりヤル気
   だったんじゃない?
KYONO:そうすね、うん。どっちに重きを置くとかじゃなく。YAMAちゃんもMGTあり、T.C.Lもあり。
     メンバーそれぞれ並行してやってるバンドがあるんで。
YAMADA:TORUxxxくんもね、STAR CLUBをやってる。また復活したんで。

――TORUxxxにBITCHにSHIBUYAって同世代、同じシーンを共有してた人たちだよね?
YAMADA:別に示し合わせたわけじゃなく、なんかタイミングでそうなったっていう。
KYONO:そう。TORUxxxは2年ぐらい前に入った。そのタイミングっていうのもYAMAちゃんと居酒屋
     で飲みながらツインギター(現在シングルギター編成)にしたいねって話をしてたら、ちょうど
     TORUxxxからYAMAちゃんのところに電話があって。
YAMADA:偶然かかってきて、“なんかライヴ観にいこうよ”みたいな話をして。で、電話を切った後
      “今のTORUxxxくんからだった”って言ったら(笑)。
KYONO: “あ~久しぶりだね。っていうか、TORUxxxギターどう?”って(笑)。ホントに久しく会ってな
     かったんですよ、オレは。
YAMADA:で、オレも“TORUxxxくんで”って(笑)。

――まさに即断即決(笑)。だけど、そうできるのも前から互いを知ってるからだよね。気心も知れてて、
   互いの音楽的嗜好やプレイもわかってる。
KYONO:うん、そう。

――で、最初のライヴんときのお客さんたちからの反応は? やっぱTMCMやWDFUやGERONIMOや
   UNDOWNを実体験した世代の人たちからの注目度、期待度が高かったと思うけど…。
KYONO:わりとそうでしたね。知り合いのイベントに出してもらう形で1発目のライヴを演ったんですね。
     ライヴを1回演ると、お客さんがどうこうっていうより自分はこうしたいっていう方が先に出てきて。
YAMADA:1本演っちゃったから、もっと演りたいって(笑)。
KYONO:そうそう。欲も出てくるじゃないですか。もっとこうしたいっていう。それがどんどんライヴを演る
     ごとに膨らんでいった。で、わりと最初のうちから“自分たちの企画をやりたいね”となり、FREAK
     OUT SHOWっていうイベント、自主企画を始めた。それからは知り合いのバンドとかカッコいい
     なと思うバンドを呼んで、定期的に。今一応、年1回とか年2回のペースでやってます。

――さっき「S.O.D.のカヴァーを演りたくてスタジオに」って言ってたけど、T.C.Lの音を聴きゃあそれが
   モロにわかる(笑)。
KYONO:みんな結局、そのへんをちゃんと通ってる世代なんで(笑)。

――若い世代にそういう時代のメタル、ハードコアのカッコよさ、真髄を教えたる! みたいな(笑)?
YAMADA:イヤ、さすがにそういうのはなくて(苦笑)。単純に曲を作ってて、カッコいいなって感じるもの
     を演ってる。
KYONO:うん。

――曲はどういうプロセスで作っていくの?
KYONO:メンバーそれぞれでアイデアを持ち寄り、スタジオで音を出しつつアレンジしたりとか。
     ヴォーカルは作業行程的にはわりと終わりの方に。
YAMADA: “DIS THE POWER”とかはBITCHがレコーディング直前に持ってきて。で、ヴォーカル
      乗せたらハマったねえ! みたいな感じで(笑)。

――トリプルヴォーカル隊だけど、やはり歌詞はそれぞれ歌う人が自身のパートのを書くの?
KYONO:そうです、そうです。それぞれの各パートは自分が歌詞を考える。

――ここ何年かでツインヴォーカル隊っていうのが一気に増えたけど、トリプルヴォーカル隊っていう
   のは珍しいね。それでも3人ともわりと激烈ヴォーカル系だけど、それぞれの個性やカラーをどう
   やって出そうとしてるの?
KYONO:それぞれの声色がまず違うんで。最初はね、単純に3人のヴォーカルがいるバンドなんて
     いないだろ、面白いじゃんって。で、やっていくうちに各パートでそれぞれの持ち味を出すように
     なっていってる、不思議と。それもわりと自然な感じで。

――“DIS THE POWER”のPVね、いきなりKYONOのファイティングポーズから始まるじゃない。ああい
   う描写もちょっと昔っぽい。闘いっていうか、なにかに対するアゲインストっていうか。そういうのって
   当然、歌詞やアティテュードにあるよね?
KYONO:やっぱ根底には。オレたちの世代ってどっかで闘ってきてるとこってあるじゃないですか、音楽
     を通して。そういうのが自然に出てると思う。あんま意識はしてないんですけど。あと、熱さを伝え
     たいっていうのもあるかもしれないです。それも…意識してるのかしてないのかわからないです
     けど。ま、そういうのが好きなのかな、単純に(笑)。



――もう、根っ子からしてそうなんじゃない?
KYONO:うん、やっぱり熱い音楽が好きだから。普段聴いてるのもそういう音楽だし。

――音像がザラッザラしてるのもカッコいいね。
YAMADA:やっぱロックの原点はそれだと思う。すべての音楽が90年代後半ぐらいからどんどん綺麗な
      音像のものになってっちゃったよね。

――だからこそ、T.C.Lの音楽がより生々しく、リアルに響き、そして聴こえるんだよね。
KYONO:まさにそういうところがほしかったんで。
YAMADA:今の音楽ってホントに音像があまりにも綺麗だから、極端な話、ジャンルが違っても
      けっこう似て聴こえちゃう。
KYONO:ホントは違うのに同じに聴こえちゃう(苦笑)。
YAMADA:日本のJ-POP界にもその波がそのままきてるから、なにを聴いてもね、って感じ(苦笑)。

――ライヴも重ねてきてるし、初の公式音源である今作も発売したわけだから、T.C.Lを介してリスナーに伝え
   たいこと、一緒に共有したいことってあると思うんだけど、それってなんだろ?
YAMADA:オレ個人としては、昔っから権力が嫌いなんで。システム的な問題からすべて。それに対して、
      おっさんが吐いてるっていうか(笑)。
KYONO:オレも同じように、そういう理不尽なシステムが世のなかにいっぱいあるんで、それに対しての疑問
     とか怒りみたいなものが昔から常にあった。音楽的なことに関してもどんどん保守的になってきてて、
     みんなが同じようなレールの上を歩いてるように思える。そういうことに対しての、アンチテーゼみたい
     なものも気持ちのどっかにある。だから今の時代に合わせてなんかやるっていうより、オレたちはこう
     だっていうものを見せたいっていうのはありますね。

――トリプルヴォーカル隊として、ステージで一番注意しなきゃいけないことってなに?
KYONO:たまにね、なにせ人数が多いからぶつかっちゃうときもあるけど、だけどそれも仲がイイからできる
     こと。ぶつかっても別にイラっとこないし(笑)。1回、振り向いた瞬間にひざ蹴りがRYOの腹に入っ
     ちゃったことがあって(笑)。
YAMADA:マジで?(笑)。
KYONO: “ヤベぇ、ごめん”って。そういうのはたまにありますけど、なんかこう、安心してステージに立って
     られるんですよね、このメンツだと。
YAMADA:お客さんもあんだけ暴れてるし。
KYONO:メンバーみなテンション上がってるんで、ヘンに気を使い合ったりはないですね。

――TMCMもWDFUもかなり強烈なライヴを演ってたじゃない。T.C.Lもそれらとは違う意味で強力な布陣に
   なってる。T.C.Lのライヴの1番の売りとは?
KYONO:やっぱ3人ヴォーカルだと思うんです。たたみかけるような、ほとんど隙間がない、歌の、怒涛の。
YAMADA:だって作品のトータル分数も30分だけど、濃いもん(笑)。
KYONO:聴いてて疲れるもん(笑)。
YAMADA:実際は30分だけど、聴くと1時間ぐらいの感覚を味わう(笑)。

――T.C.Lっていうバンド名にはどういう意味があるの?
KYONO:最初それこそ遊びでスタジオに入ってた時はThe Chunk Legendだった。つまり“デブ伝説”(笑)。
     映画『グーニーズ』(85年)のキャラクターでChunkっていう太った男の子がいるんですけど、あれ
     からとったんです。面白いかなと思って。だけどやっていくうちにT.C.Lの意味合いとか重みがちょっ
     と変わってきた気がします。

――どういうふうに?
KYONO:T.C.LはT.C.Lでイイかなっていう。
YAMADA:略すっていうか。
KYONO:うん。で、今回、作品タイトルも『Tremendous CLassixx』って、あえて“T”と“C”と“L”を大文字にし
     てある。T.C.L自体は変わらずも、そのときそのときでいろんな意味合いがあってもイイのかなって
     いう。まぁT.C.Lっていうのはなんかの団体みたいな(笑)。

KYONOが言ってた自主企画、T.C.L presents “FREAK OUT SHOW Vol.10-“TREMENDOUS
CLASSIXX” RELEASE PARTY-が3月23日(土) 新代田FEVERで行われる。
後日、その夜のT.C.Lのライヴの模様もリポートする。お楽しみに!



文・有島博志/text by Hiro Arishima
協力・松本美和



 T.C.L
 『Tremendous CLassixx』
 発売中

 MUFFIN RECORDS / MFRD-1001
 バンド公式サイト
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