BAD RELIGIONとMAN WITH A MISSIONの“インテリ対談”実現!

改めて言うまでもないだろう、MAN WITH A MISSIONはBAD RELIGIONの “Man With A Mission”をライヴ時のオープニングSEとして使ってる。 そういうこともあり、今回の対談をぜひとも実現の運びへといきたかった。 だけど両バンドのスケジュールもあり、3月28日の東京・豊洲PIT公演当日までなかなか実現するか否かが確定しなかった。 でだ、開演前の限られた時間でグレッグ・グラフィン(vo)と、ジャン・ケン・ジョニー(vo,g)がついに対峙した。

――グレッグ、MAN WITH A MISSIONはあなたたちの曲“Man With A Mission”をライヴ時のオープニングSEとして使ってるんですよ。
ジャン・ケン・ジョニー「ソウナンデス。アノ曲ヲ使ッテイルンデスヨ」
グレッグ・グラフィン「私たちに対する敬意を感じるね。キミたちのアイデンティティのなかで私たちの存在が大きいのがわかるよ」
ジャン・ケン「ソウデス」

――日本のバンドがあなたたちの曲をオープニングSEとして使ってることは、バンドにとってやはり自信や誇りとなることでしょうね。
グレッグ「あぁ、とてもね」

――ジャン・ケン、アナタはBAD RELIGIONをはじめ、これまでにたくさんのロックバンドを聴いてきたわけじゃないですか。どうしてバンド名にMAN WITH A MISSIONなる名を?
ジャン・ケン「MAN WITH A MISSIONトイウ名前ガ、使命ヤ哲学ヲ持ッテイルバンドミタイナ感ジデイイト思ッタンデス。バンドノメンバーハ全員BAD RELIGIONノ大ファンデ、特ニKamikaze Boy(b)ハ熱狂的デスネ。オープニングノSEモ、アイツノアイデアデシタ。デスカラ何ト言ッテモソイツガ一ノBAD RELIGIONファンデスネ。モチロン他ノメンバーモ大ファンデスヨ」
グレッグ「それは嬉しいね」

――アナタは今回のPUNKSPRING以外にも過去何度も日本にきてますよね。
グレッグ「ああ。さっきもメンバーと話してたんだよ。初めてここにきてから22年も経ったんだなって」
ジャン・ケン「ソウナンデスカ」

――過去に日本のバンドともプレイする機会がありましたけど、なにか印象に残ってるオープニングアクトのこととかありますか。
グレッグ「キミたちが私たちのオープニングをやってくれたことがあったよね?」
ジャン・ケン「PUNKSPRINGノトキデシタネ」
グレッグ「ああ」
ジャンケン「アト、確カ神戸デモ」

――2014年ですね。
ジャン・ケン「ハイ」
グレッグ「世界中で訊かれるんだ。“○○○のことは好きか”なんてね。人々に出会い、私たちの音楽にまつわる彼らの経験について聞くことができるのは、正直言って大きな特権だと思ってる。 文化的体験の一部だよね。私たちが日本にいくときというのは、単にコンサートでいくわけじゃない。人々に出会い文化的体験をしにいくんだ。 私にとってはそれが一番重要なことだ。私たちにインスパイアされたバンドがいるって話を聞くのは、恐らくミュージシャンとして一番意味のあることじゃないかな。今は日本にそういう歴史を刻むことができたと思う。最高の気分になれるよ」

――ジャン・ケン、当然PUNKSPRING 2014でBAD RELIGIONとステージを共にしたときのことはいい思い出として残ってるでしょう。
ジャン・ケン「ハイ。実ハアノトキハジメテ彼ラヲライヴデ見タンデス。ソレマデハビデオバカリデ。ハジメテ生デ見テ、ブットビマシタ。 初メテBAD RELIGIONノ音ヲ聴イタノハ大昔ノコトデシタガ、アノトキカラ最近マデノデキゴトガ走馬灯ノヨウニ蘇リマシタネ。僕ダケデナクKamikaze Boyモ完全ニブッ飛ンデイマシタヨ。キッズニ戻ッテモッシュピットニ参加シテマシタ」

――ぇ、マジで? (笑) 幕張と神戸のどっちで?
ジャン・ケン「神戸デシタ」

――今回はBAD RELIGION観ました?
ジャン・ケン「イヤ、大阪ニ行カナケレバナラナクテ…」
グレッグ「今日観れるからいいじゃないか(笑)」

――今回のPUNKSPRINGを幕張で観ましたけど、BAD RELIGIONとてもよかったですよ。いい曲をたくさん演ってくれて…しかも1曲目が“American Jesus”で。あれにはヨジれました(笑)。
ジャン・ケン「ラシイデスネ」

――イントロが鳴った途端、「オ―――――ッ、ジーザス!!」って(笑)。
グレック「もっと地味な曲の方がよかったかな?(笑)」



――いやいや(笑)。ところでジャン・ケン、BAD RELIGIONのこれまでの作品のなかでどれが一番好きです?
ジャン・ケン「何ト言ッテモ『RECIPE FOR HATE』デスネ。あとファーストEPの『BAD RELIGION』(81年/日本盤未発売)モ好キデス」
グレッグ「キミになにかプレゼントできるものがあればよかったんだけど…」
ジャン・ケン「イエイエ、ソンナソンナ…」

――BAD RELIGIONから学んだ一番大きなことってなんです?
ジャン・ケン「音楽デデスカ?」

――音楽でも、アティテュードでも…。
ジャン・ケン「(笑)。本人ノ前デ話スノモナンデスガ…」
グレッグ「見てるし、聞いてるよ(笑)」

――うわっ!(笑)
ジャン・ケン「(笑)。僕タチハパンクロックヤロックガ大好キナノデ…パンクロックノ大半ハアグレッシヴデ敵意ムキダシナ感ジガシマスガ、BAD RELIGIONノ曲ハ最初カラソリッドデリアルナ感ジガスット入ッテキタンデス。 社会、宗教、戦争、世界情勢ニツイテ歌ッテイテ、タダ漠然トシタモノヲ闇雲ニ敵ニシテ怒ッテイルワケジャナイ。コウイウ言イ方ガ正シイカドウカハ分カリマセンケド、“intelligent”ナ音楽トイウ印象ガ僕ニハアリマシタ。 主観的ナ感ジガシタンデス。対象ニ憎シミヲブツケルダケデハナク、自分タチモ同ジ風ニナッテシマウ危険ヲハランデイルコトヲ含マセテイル気ガシマシタ。僕ニトッテハトテモ哲学的ニ感ジラレタンデス。ダカラコソ一層アグレッシヴニ聞コエタトイイマスカ」
グレッグ「ありがたいね。“哲学的”と言ってくれたのは嬉しい。私自身が曲作りについて説明するのと同じ言い方だから。息が長いものにしたければ、哲学的になる必要があると思う。深く意味のある形で人々の琴線に触れなければならないからね。そういう影響があって嬉しいよ」
ジャン・ケン「アリガトウゴザイマス」

――MAN WITH A MISSIONは2ヵ月前にGUNS N’ROSESと一緒に演りましたよね。ジャン・ケン、そのときステージMCで「GUNS N ROSESト共演デキルナンテ、トテモ誇リニ思ッテイマス」と言ってたけど…今夜も同じでしょう?
ジャン・ケン「ハイ、僕タチガ共演スル機会ニ恵マレタバンドハ、ミンナ僕タチガ長イ間夢中ダッタバンドバカリナンデス。夢デシカナイトイウカ」
グレッグ「ひとつ質問させてくれ。キミたちが今後頭が狼、身体が人間から完全人間になっていくことはあるのかい?」
ジャン・ケン「イイエ。コレガ僕ラノ素顔デスカラ(笑)」
グレッグ「世界中の人たちに“フレンドリーな半コヨーテ”と思われるのはどんな気分?(笑)」
ジャン・ケン「エエト…(笑)…ソウデスネ…他ノバンドト同ジヨウニ、音楽ヲ第一ニ考エテホシイデスネ。僕タチガキャラ立チシテイルトカ、他ト見カケガ違ウカラトイッテ、ソレハ関係ナイコトダト思イマス。僕タチハ基本的ニソウ考エテイマス」



――グレッグ、欧米などにツアーに出ると、ときに若手バンドと一緒に廻ったりしますよね。そういうバンドたちを観たり、興味を持ったりとかあります?
グレッグ「イヤ、あまり。と言うのも…種明かしをすると、こういうことを長くやってると時折疲れ始めてくるんだ。肉体的に。ステージに上ってやることをやり、観客を盛り上げるというのに疲れを感じてしまう。 だから私は新しい…こういう話はあまりしないんだけどね。新しいストラテジー(=戦略)を取り入れることにしたんだ。知っての通り私は気分を上げるためにドラッグはやらない。私がエキサイトしてるように見えるときは本当にそうなんだ。 エキサイトするひとつの方法は観客にはならないで、ステージに上がる直前に現場にいくことなんだ。いつもサプライズになるようにね。私にとってはそうすることがとても大事だ。もう15年くらいそうしてるよ。 出演時間間近になってから現場に現れ、すぐステージに上がればエキサイトすることができる。だけどあまり会場にいすぎると、だんだん…観客を認識するのが好きじゃないんだ。だから残念ながらオープニングバンドの演奏は見逃さざるを得ないことが多い。 だけど今夜は目の前にいるからね(笑)」
ジャン・ケン「アリガトウゴザイマス(笑)」
グレッグ「TVのモニターでライヴを観るよ(笑)」

――ある意味、歳をとるってそういうことですよね。
グレッグ「そのとおりさ(笑)。そして、マッサージチェアに直行さ(笑)」


――とてもラグジュアリーな贅沢ですよね(笑)。さてジャン・ケン、今夜のBAD RELIGIONと同じステージに立つことになにを期待します? もちろん観客の前でプレイするわけですけど、BAD RELIGIONの前でプレイすることにもなるわけで。
グレッグ「セットリストを変えないといけないな」
ジャン・ケン「ソウナンデスカ?…実ハ1曲一緒ニプレイヲオ願イシタ曲ガアリマシテ、ソレガトテモ楽シミデス。僕タチトシテハズット聴イテキタバンドトプレイスルコトニナルワケデ…勿論オーディエンスノタメニプレイスルンデスガ。 僕タチハオオカミナノデ子供時代ガナカッタンデスガ(笑)、ズット大好キダッタバンドノ前ニプレイスルナンテ、子供時代ニ戻ッタヨウナ感ジニナルデショウネ。 彼ラノ目ノ前デプレイスルノハ、メジャーリーグノ野球選手ノ前デ練習スルヨウナモノデスヨ(笑)。興奮ト期待ヲ同時ニ感ジマスネ。BAD RELIGIONトステージヲ共有デキルコトヲトテモ楽シミニシテイマス」
グレッグ「自分たちのファンの前でプレイするのはいつも楽しいよ。フェスティバルでやるときより親密な空間だし、つながりを感じることができる。オープニングバンドともつながることができて、さらに意味のあるものになるよ。 私たちはMAN WITH A MISSIONと特別な関係を持ってプレイすることができる唯一のバンドなんだと思う。私にとってはそれが重要なことなんだ」

――時間のないなか、お二方ともありがとうございました。
ジャン・ケン「アリガトウゴザイマシタ」
グレッグ「こちらこそありがとう」




取材/文・有島博志
翻訳・安江幸子