久方ぶりに来日したINCUBUS。至高のリアル・ロックを聴かせてくれた!

結成30周年を目前にしつつもいまだ衰えないどころか、進化・発展し続けているINCUBUS。迫真のステージをリポート!


リアル・ロックにここ1年くらい凝っている。あのブ厚くも、ギター本来の味の良さを生かしたサウンド。聴いていて実に心地いい。

昨夏SUMMER SONIC 2017の東京2日目のヘッドライナーで初めて観たFOO FIGHTERS。同時に7枚目となるフル・アルバム『Villains』(2017年)をリリースし、フジロック2017でも来日し、今年のSUMMER SONIC2018への参戦も決まっているQUEENS OF THE STONE AGE。最近はEDMなどロックが元来範囲外としていた音楽的要素を取り込むアーティストも少なくなく、かつリアルなロック・バンドの存在が気薄になった気がする。

FOO FIGHTERSとQUEENS OF THE STONE AGEはスタジオ音源の作り込みこそ、音を幾層にも重ねているが、ライヴとなればアプローチは別だ。 昨夏のFOO FIGHTERSの演奏は荒々しくも雄々しかったし、リアル・ロックの真骨頂を見せつけてくれた。QUEENS OF THE STONE AGEに関してはギター・ロックとは少し違うけど、ややサイケデリックでストーナー・ロックの要素も持ち合わせている。そして、サイケデリックな要素やネイチャー感を放ちつつも、濃厚重厚なサウンドを聴かせ、独自のサウンドを確立したのがこのINCUBUSだ。が、しかし、正直に言うと、8枚目の新作『8』(2017年)を聴いた時にメロディや楽曲はイイけれど、なにか物足りなさを感じた。この感想はライヴ後には見事に覆された(笑)。





で、だ。当日会場入りをすると、場内はすでにINCUBUSのTシャツを着た人たちで溢れかえっていた。彼らの再来日公演を待ち焦がれている人たちの多さや、その人たちの歓声で場内は満ち溢れていた。

ステージ上にはドラムが横向きにセッティングされ、パーカッションやターンテーブルなど多種多彩な楽器がステージ上には用意されていた。さらにはバックスクリーンが配されておりライヴが始まれば曲とシンクロし、映像で楽曲の歌詞や世界観を表現する仕組みだ。19時45分頃メンバーが登場し、ブ厚いドラミングとパーカッシヴなサウンドが鳴り響き、ライヴは”Surveillance”で幕を開けた。その後、続けて”Warning”や”Nimble Basterd”が続いた。ブランドン・ボイド(vo)の柔らかくもしっかりと芯の通った歌声が昇華し、綺麗に粒が揃ったギターもソロになるとワウやアーム、ディストーションにフランジャーが絡み合い刺激的かつ難解なメロディを時折鳴らしていた。スタジオ音源のような音の重ね方をどうふいうふうに再現するのか。と、思っていただけに、マイク・アインジガー(g)の足元が気になって仕方なかったが、その観客動員数の多さからステージ前には行けなかった。

しかし、スタジオ音源以上にブ厚く、時に濃密なパーカッシヴを鳴らし、変化するそのサウンドに圧倒された。彼らが生み出すグルーヴ感も凄まじい。ステージを注意深く観ていると、各メンバーの役割分担などが明確に決まっていることがわかった。さらにはブランドンがマイクの足元のエフェクターを操作したり、とチームワークの良さも見せつけた。『A THOUSAND SUNS』(2010年)以降のLINKIN PARKのような忙しさだった(笑)。それもそのハズで、両バンドともキャリアを重ねていくとともに音楽性が多様化してきたからだ。しかし、ながら肝となる部分は変わらず進化、発展を繰り返してきたといえる。

そして、”Wish You Were Here”のアウトロでは見事なまでにピンク・フロイドの同名異曲へと繋げた。新作『8』からは5曲ともう少し多く聴きたかったが、新旧を織り交ぜたベスト盤的選曲だった。結成30年を目前に迎えても、さらに突き進んで欲しい。






text by Yushun Shimamura
photo by SARU (Ayumi Saruya)