新木場 Stufio Coastにて行われたライブリポをお届け!

MAN WITH A MISSION and JIMMY EAT WORLD
June, 4th, 2017 at Shinkiba Studio Coast, Tokyo

MAN WITH A MISSIONが最新シングル『Dead End in Tokyo』発売に伴う“Daed End in Tokyo Tour”EXTRA SHOWSを行なった。
USロックバンド、JIMMY EAT WORLD(JEW)をサポートアクトに招いた(大阪と東京それぞれで単独公演も実現)。その東京ファイナルを観た。

言うまでもなく、場内はあちこち人人人、そして人でぎっしりの満杯状態。開演予定時刻よりやや早い夜6時少し前に客電が落ち、場内が暗転。
まるでその瞬間を待ち詫びてたかのように客席から大歓声が湧き、場内に充満した。
そしてJEWのメンバーが登場し、4枚目『BLEED AMERICAN』(2001年)のタイトル曲“Bleed American”で駆った。


JIMMY EAT WORLD

この曲は数多あるJEWの持ち曲のなかでももっとも知られ、名曲の誉れ高い超好チューン。
まさかこの曲をド頭に持ってくるなんて夢にも思わなかった。
昨秋出した9枚目の新作『INTERGRITY BLUES』収録曲でくるだろうぐらいに思ってただけに、いきなりの“Bleed American”には完全にヤラれトバされた。いい意味での反則技だ(笑)。それはお客さんたちも同じだったようで、頭っからグイグイと乗りまくる。
で、新作収録曲“Get Right”へとなだれ込んだあたりでステージ上にいるメンバーの数がひとり多いことに気づいた。
彼はステージ向かって右側に立つトム・リントン(g,vo)の真後ろにいた。
バンドとは古いつき合いだというロビン・ヴィニングだ。
時折ギターを弾き、ときにキーボードをプレイし、タンバリンを振り、バックヴォーカルを重ねた。
いわゆるツアーリングメンバーで、彼のプレイにより前より音が厚くなってた。

JEWの日本正式デビューは2枚目『STATIC PREVAILS』(96年)で。 それから少しして“エモ”“エモコア”“エモロック”と呼ばれるインディー域ロックがアメリカで流行りだし、彼らはたちまちTHE GET UP KIDS、DASHBOARD CONFESSIONALらとともにその“顔役”的存在に。
インディーロックとパンクロックを混ぜ合わせつつ極エモーショナルに表現するスタイルと思ってもらえればいい。
ジム・アトキンス(vo,g)がここぞというときに聴かせる、情感を溜めに溜め一気に吐き出すような歌唱法は、“エモ”の大事な音楽定義のひとつだ。なにしろもうすぐ結成四半世紀を迎えるバンドだ。しかもその間メンバーチェンジはたったの1回のみ。それぞれの立ち位置を熟知し、阿吽の呼吸もあり、コツをわきまえ的も得た演奏は実に安定感に秀でてて、ガッツリ身体を委ねることができた。

そして最後の2曲『BLEED AMERICAN』収録曲“Sweetness”“Middle”で盛り上がりもエモーショナルさもピーク値へと持っていき、40分のセットを終えた。
いい感じでノれたライヴだった。


JIMMY EAT WORLD

セット転換後、いよいよMWAMの出番だ。 場内BGMとして流されてたRAGE AGAINST THE MACHINEの音量が一瞬極端に上がったかと思いきや、突然無音になり客電が落ちた。

その時点ですでに歓声も客席もカオスだ。

そして新しいSEが流れるなか、オオカミたちがステージ上に姿を現し、それぞれ所定の位置に就き、いきなり“Get Off of My Way”であたりを蹴散らし始めた。

自分としては今年1月にGUNS N’ ROSESとステージをともにしたさいスパ以来のライヴ観戦だ。
あのときはシンプル極まりないステージングだったけど、今回は彼ら自身のツアーだ、のっけからクレイジーなライティングが四方八方に放射された。
まるでレーザービームのようなそれはときに鋭く、そしてとてつもなく鮮やかだ。
新旧の曲が織り交ぜられながらショウは進んでいく。


MAN WITH A MISSION
Photo by Daisuke Sakai

実はライヴ中場所を3ヵ所移動しつつ観てた。1階フロア後方の壁際、2階バルコニー席最前列、そして同じくバルコニー席のステージ向かって右側の、ちょうどお客さんとバンドを真横から一望できるところ。なぜ、そういうことをしたかと言うと、観る場所によって映る光景、肌で感じる体感度が違うからだ。
その真横から一望できるところで目に飛び込んできたさまは興味深かった。バンドがステージ上から客席に向けてエネルギーとパワーを放つ。それを受け、浴びたお客さんたちはお返し、のごとくステージ上に向けて彼らならではの強いパワーとエネルギーを噴き上げる。その繰り返しが続き、非常に健全なせめぎ合いが繰り広げられてた。もちろん、そうしたものが目に見えるわけがない。
だけど、そういうふうに見え、そういう錯覚を覚えさせられたのは、ひとえにバンドとお客さんたちとの間に“明確かつ強固な信頼関係”があり、それでいつ何時もしっかり結ばれてるからにほかならない。
これは誰もができることじゃない。ごくごく限られたバンドだけだ。

決してこの夜に限ったことじゃないのだけど、オオカミたちのライヴは時折ベスト盤を生で聴いてるように思えることがある。つまりそれだけいい曲、強い曲をたくさん持ってるということだ。こういうバンドは強い、ホントに強い。
FALL OUT BOY、HOOBASTANKなどもそうだ。実はGUNS N’ ROSESとのさいスパ公演のときから薄らと感じてたのだけど、ライヴで披露したときの曲の密度/濃度/精度が前にも増して強くなり、高まってるように思えた。
欧米のバンドマンはインタヴューでたまにこういうことを口にする。「曲ってさ、演れば演るほど成長していくものだし、それを繰り返すことでやっと自分たちのものにできるし、身体の一部にもなるんだ」と。たぶんオオカミたちもそうなんだろう。
二声、三声でしっかりハモられるハーモニーパートの響きがより美麗になり、1曲1曲のフック、さらなる聴きどころになってる。
これは間違いなく、曲の印象度をよりよいものとしてる。
トーキョー・タナカ(vo)、ジャン・ケン・ジョニー(vo,g)、カミカゼ・ボーイ(b,vo)、スペア・リブ(ds)、DJサンタ・モニカ(dj)によるさらなる“バンド的一体感”からくる賜物だ。
お約束のMission Movieには相変わらず「ぷっ」となるし、ジャン・ケンのMCにもセンス・オブ・ユーモアが満ちてる。
ここは本当に面白いし、演奏面とはまた違った楽しさがある。

そして本編最後を“Dead End in Tokyo”で締め、アンコールで2曲“Seven Deadly Sins”と“Emotions”を披露、この夜を終えた。
観応え、聴き応えまさに十分なライヴだった。
今後、“Dead End in Tokyo Tour”Europe 2017に出て4都市巡演し、9月にはJIMMY EAT WORLDとともにアメリカ西部をサーキットする。
MAN WITH A MISSIONよ、もっともっと世界に羽ばたくがいい。そして、日本のロックのカッコよさ、確かさを欧米のロックファンたちにこれ見よがしに知らしめてやればいい。
彼らはそれができ得る非常に限られた日本のバンドのひとつなのだから。


MAN WITH A MISSION
Photo by Daisuke Sakai






文・有島博志